エウアンゲリオン

新約聖書研究に加え、新たにショート・メッセージで、よい知らせを届けたいと願っています。

ヘブライ語

 正式な裁判の手続きを、ピラトはここで始めます。「ピラトは、これらの言葉を聞くと、イエスを外に連れ出し、ヘブライ語でガバタ、すなわち「敷石」という場所で、裁判の席に着かせた」(ヨハネ19:13)
 ピラト自身が「裁判の席に着いた」と書かれていると理解するほうが普通である、という意見があります。被告人が立ち、裁判官が座って審議するのが自然だと思われますから、おそらくそちらが原文の伝えたかったことではないかと思われます。敷石が敷き詰められた場所が、公式の席と見なされていたのかもしれません。それにしても、わざわざヘブライ語まで説明しておくのは、何故でしょう。
 これまでヘブライ語で並べていたのは、「ベトザタ」(ヨハネ5:2)だけです。この後「ゴルゴタ」(ヨハネ19:17)、「ラボニ」(ヨハネ20:16)と続きます。また罪状書きかヘブライ語混じりであったという指摘がヨハネ19:20に見られます。
 かつて、安息日に病人を癒したベトザタによる解説以来、イエスの裁判の席の場所が、そして次に死刑執行の場所が、ヘブライ語で解かれています。命を狙われてきた発端と、いよいよ命が取られる場面において、ヘブライ語を混ぜているのです。まさか、ユダヤ人に鮮明に読ませるように、ということであったのでしょうか。ユダヤ人信徒もいたはずですから、その心に届かせるポイントに、ヘブライ語を置くというのも、ヨハネならやりかねないでしょう。